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収デンを終えて

同人誌即売会なんてまだ両手で数えられる程度しか行ったことがなく、加えてサークル参加に至っては今回を抜いてたった1回(C92)しか経験したことのない人なのですることなすことが新鮮でした。という訳で、今回のエントリは延々と感想とか反省点を書き綴るだけですのでご容赦くださいまし。

怪奇!Word原稿の罠!

私のシナリオ本の作り方は友人のそれに比べると比較的工数が多く、

  1. 紙に流れを書き込む(「開かずのハンドアウト」対策)
  2. それを基にVS Codeを使って.mdで仮整形
  3. .mdを.pdfにコンバート&プリント!
  4. テストプレイ
  5. テストプレイを参考に修正
  6. WordとかPublisherとかillustratorで完成形製作

という具合なのですが、今回の制作の中で個人的に一番トラブったのが完成形の整形でした。

お求めいただいた方はご存知かと思いますが、今回の本は新書版(一応インセインのルルブサイズに合わせました)に本文が縦書きで書かれている中で、巻末のクレジット・奥付部分のみが横書きになっていました。もうこの時点で通常のWord原稿とは異なるイレギュラーな部分ばかりで何らかのトラブルが起きてもおかしくなかったのですが、プレビュー画面では特にエラーやレイアウト崩れが発生していなかったのです。

それでもって「完成っ!」ってなってからPDFで出力をしたら、案の定出たんです。レイアウト崩れ。

 

しかも単にページサイズが違うとか、行間がおかしいとかいうレベルじゃないんです。具体的に言うと、

  • ページサイズ崩れ
  • 行間崩れ
  • 意図しない白紙ページの大量挿入
  • 文字化け

どうしてこうなった。レイアウト崩れだけで満貫とかしなくていいから。

そんなこんなで、慌てて本文部だけPublisherにコピー&ペーストで避難させたのですが、ハンドアウトだけはうまくいかずにWordから出力したものを使っています。

ちなみにWordの出力解像度の上限は300ppi、一方Publisherの出力解像度の上限は600ppi。まだ直接見れていないのですが、お求めいただいた方からは「ハンドアウト部が見づらい」というお声があるそうで、おそらくこれが原因の一つかと思います…… 申し訳ない……

原価率99.2% 損益分岐点100.0%

と、まぁここまで冷汗脂汗を流しながら脱稿したのですが、同人初心者には次なる関門が待っていました。

収デンでは本が新書判ということもあり、新書判が安いと評判の印刷所様にお願いするつもりでした。が。

売り切れていたのです。

そちらの印刷所様はまず納品日を決定し、その何日前を締め切りとするかで印刷費が変わるタイプの料金体系を採っていたのですが、収デン前日までに納品されるプランは何一つ残っていませんでした。ちなみにこの時点で収デン3週間とちょっと前。新刊は1冊だけなので落とすと委託品を延々と売り続けることになってしまいます。そんな切ない事態はなんとしてでも回避すべく、別の印刷所を一刻も早く探さな……

ここで気付きを得ました。

「書き始めた昨年末はまだ無かったけど、今ならイベント支援印刷所の情報あるやん」

 

こうして同人誌専門の印刷所「ねこのしっぽ」様にお願いすることになったのですが……

見積もりして目ン玉が飛び出るかと思いました。もし予定していた500円で頒布するとすれば、原価率は99.2%、損益分岐点は100.0%とかいう訳のわからない数字が出てきたのです。

厳密にいえば、元々検討していた印刷所様が文庫版・新書版に関しては相場の半分以下という破格の値段であったこと、加えて私のシナリオ集はページ数が余り多くなかったことが印刷費が嵩む要因になったのですが、貧乏学生の身である以上、赤字を出すわけにはいきませんでした。

慌ててTwitterに頒布物の値上げについてのアンケートを出し、結果を見て頒価の値上げをしても大丈夫だろうと確認して値上げの告知を出したのでした。ホントは500円で頒布できるとこちらとしても釣銭の用意が楽だったんですけど、背に腹は代えられません。

ちなみに、ねこのしっぽ様にお願いして一番良かったことが、入稿後に濃やかに原稿のチェックをしていただけたこと。縦中横の適用忘れのチェックや、表紙のズレの確認、断ち切りにかかる部分のアドバイスに至るまでしていただき、本当に助かりました。

それに、結果から見れば本の仕上がりは(書いた中身はともかく)非の打ち所がない素晴らしいものでしたし、ねこのしっぽ様にお願いしたのは大正解でした。

同人作家の天国、100円ショップ

入稿が終わってもあと少しだけやることがあります。それがスペースに持っていく「備品」の用意です。

「備品」については元から友人とやっていたサークルでいわゆる「コミケ布」だけは用意していたので、それにプラスする形でいろいろと用意をしたのですが、

 

全部100円ショップで揃いました。

 

さすが天下の100円ショップ様……

ちなみに買ったものは

  • コインケース(100円玉用・500円玉用)
  • コイントレイ(会計時の混乱と会計ミスの防止)
  • ポーチ(お金しまう用、お札が折らずに入る)
  • タブレットスタンド(新刊立てるやつ)
  • ゴムマット(コミケ布のすべり止め)
  • ラップ(売れ残って持ち帰るときにシュリンク包装っぽくするため)

と、こんな感じです。

いざ、超収容違反へ

前日は興奮と緊張であまりよく眠れなかったもの、早朝に沙華堂さんと合流し、幕張メッセへ。

収デン公式アカウントのツイートを参考にしつつサークル参加者(厳密には「ユーザー出展者」というらしいです)の入り口へ向かうと、いました。

収デンのカタログを手に持った白衣のお兄さんです。

前日のサークル参加者から「こんな人がユーザー出展者の入り口で待ってるよ!」というレポがあったので一応知ってはいましたが、わかりやすくて実にありがたいです。

受付では違うお兄さんがリストとにらめっこしておりまして、挨拶して入場証をいただいた時に、

「はるしおんさんですか、Twitterでお見かけしております」

と声をかけられ、自分のツイ廃具合をちょっぴり反省しました。

受付から収デンエリアの途中までは白衣のお兄さんが案内していただいたのですが、「開場から90分で売り切れ続出」という話を聞いて「ウチのサークルもそんな感じになるかなぁ」などと思ったのが記憶に残っています。

さて、なんでこんな書き方をしたかといいますと、実際に収デンは大盛況で、そんなことをゆっくり考えている暇がなかったんです。

自分のスペースについてお隣さんに挨拶をし、机の下にはちょこんと現地搬入をお願いした本が届いておりまして、そいつを開けて「おー」などと思ったりしながら設営。運営の方にCCライセンスの表記を確認していただき、他のサークルさんも一通り回って名刺を渡して開場とともに拍手、急いで目当てのオブジェクト、もとい頒布物をいただいて自分のスペースに戻った(この時はスペースに沙華堂さんがいました)ら、なんか大盛況でした。しかも、まだ来場者の第1弾も来てるかどうか分かんないくらい早いタイミングです。結局、開場から1時間を待たずしてあっさりウチの頒布物も沙華堂さんのも売り切れてしまいました。100円ショップで買ったラップの出番がありません。

その後、私も沙華堂さんも早朝からの行動と余りの人混みに体調を崩し昼頃に無念の撤退。そもそも沙華堂さんは即売会自体が初参加ということですし仕方ありません。

と、こんな具合でございました。

最後になりますが、収デンを開催してくださった育良氏とドワンゴ関係者の皆様、収デンで受付やライセンス確認をしていただいたスタッフの皆様、参加されたサークルの皆様、そしてご来場くださった皆様への感謝の意をもって、結びに代えさせていただきます。